最近、私の親戚の女子高生が薬剤師になりたいと猛勉強をしていると聞きました。そこの子のお母さんによく薬剤師について聞かれることが増えています。
薬剤師になるためには、大学の薬学部を卒業して、国家試験に受かる必要があります。おおよそですが、薬学部の偏差値は国公立であれば65〜74、私大は46〜73くらいとなっています。
せっかく薬学部に入るために苦労して勉強したのに、薬剤師になってから後悔したくないですよね。
この記事では、
- ママ薬剤師である私が薬剤師という職業を選んだ理由
- ママ薬剤師が結婚妊娠出産後に後悔したのか
をご紹介します。
薬学部がいいのか、せっかくなら違う学部にしてもっと上の大学を目指した方がいいのか?薬剤師になるかどうか悩む方や薬剤師志望のお子さんがいる保護者の方に参考になれば嬉しいです。
Contents
ママ薬剤師である私が薬剤師という職業を選んだ理由
私が、薬剤師という職業を選んだ理由は、「転勤族と結婚しても、全国どこでも働けるから」です。
現在、私はママ薬剤師として調剤薬局で働いていますが、元々は薬剤師になりたくて薬学部に入った訳ではありませんでした。
高校生の時に私は、薬や化粧品を創る側になりたくて薬学部を選んで入学しました。薬学部を卒業する上で、せっかくなら資格も取っておこうと思い、薬剤師の国家試験を受けました。
そのため、新卒で就職した時は薬剤師として働いていた訳ではなく、新薬の審査などをする機関で働いていました。国の機関なので、公務員という扱いでした。
私は、薬学部進学を決めた時の夢であった薬を創る側にはなれませんでしたが、国の機関で働いて新薬が世の中に出るのを見届けることができ、毎日充実した中で働いていました。
そんな中、現在の夫と出会って、結婚まで話が進み、今後のお互いの仕事について相談する機会がありました。
夫の会社は全国転勤ありのため、いつ日本全国のどこに転勤するか分かりません。私の方はというと、東京の霞ヶ関で勤務していて、さらに転勤がない職種でした。
そのため、結婚するのであれば、別居婚も視野に入れるか、どちらかが転職するしか選択肢が無く、私が仕事を辞めて薬剤師に転職することを選びました。
毎回夫の転勤の度に、私自身は新しい職場で働くことになるので、苦労することも多いです。
でも、薬剤師という資格があったからこそ、パートや正社員として薬剤師という仕事を続けることができています。
私は薬学部に進学したときは、薬剤師になる予定ではありませんでした。でも、現在、夫の全国転勤があっても日本中で薬剤師をやれているのは、あの時頑張って資格を取っておいたおかげだと思います。
【結婚後】薬剤師になったことを後悔しなかった
私は結婚を機に調剤薬局で働く薬剤師になりましたが、薬剤師になったことを後悔することはありませんでした。
結婚後は夫の転勤がすぐにあったので、夫と私の新婚生活は新しい勤務先でスタートしました。
なれない雪国でしたが、平日は夫も私も忙しく働き、土日は一緒に転勤先を観光して回っていたので、全く辛くありませんでしたよ。
私が美味しいものが好きなのでご当地グルメを楽しんだり、歴史好きの夫に付き合ってお城巡りをしたり、それぞれの趣味に合わせて、転勤先での新婚生活をお互いに楽しむことができました。
そのため、私は結婚後に薬剤師になったことを後悔したことはありませんでした。
そして、せっかく薬学部に進学したからと取得した薬剤師の資格が結婚を機に役に立ってよかったと思っていました。
【妊娠中】薬剤師になったことを後悔した
次に、私の妊娠中のことですが、実は、妊娠中は薬剤師になったことを本当に後悔しました。
薬剤師という仕事は、立ち仕事が多く、患者さんからのお悩みを聞く機会も多いです。
薬局には、基本的に病気の方しか来ないので、精神的なご病気の方やご年配の患者さんの中には理不尽に怒る方も多くいます。
また、お仕事がお忙しい中で、病院を受診し、薬局に来局した働き盛りの方が、病院での待ち時間にうんざりしているのに、薬局でも待たせるのか!!と待ち時間の長さに怒り出すこともあります。
妊娠当時に私が働いていた薬局は、大きな病院の前にあり、常に薬局に患者さんが満員という状態でした。
そのため、1日中立ちっぱなし、患者さんが待ち時間でイライラしないように常にスピードとの戦いでした。
そのため、私は、妊娠2ヶ月の頃に勤務中に腹痛と出血があり、帰宅後すぐにかかりつけの産婦人科を受診したところ、切迫流産と診断されてしまいました。
切迫流産とは流産はしていませんが、無理をすると流産する可能性があるので、絶対安静が必要になります。
妊娠中は、私が自宅で安静にしていて、出血が落ち着いたからと仕事に復帰すると、また出血が始まってと、仕事への復帰と不正出血を繰り返していました。
ずっと休職はせずに有給を使いながら仕事を続けていたのですが、ある日切迫流産から切迫早産と診断され、最終的には主治医の判断で出産まで仕事は禁止となりました。
私は、家で横になりながら、仕事も家事もできず、ただただ家でつわりに耐えながら時間を過ごすのが本当に長く辛かったのを覚えています。
最終的には子供が無事に生まれてきてくれたことで、一瞬でその辛かった日々は吹き飛びました。
ただ、今まで大きい病気をしたことがなく元気に過ごしてきたので、安静にして何もせずに横になっておくというのが本当に辛かったです。
薬局は、立ち仕事が多く、ストレスも多い職場なので、妊婦さんには負担になることもあるので、私は妊娠中は薬剤師という仕事じゃなかったらよかったと思うことが多かったです。
現在は、同じような症状で薬局にいらっしゃる妊婦さんの気持ちが分かる様になったので、患者さんに寄り添った具体的なアドバイスができるようになってよかったと考えるようにしています。
【出産後】薬剤師でよかったと思うことが多い
切迫流産や切迫早産を乗り越えて、現在はママ薬剤師として働いていますが、出産後は薬剤師でよかったと思う時と、薬剤師じゃ無かったらよかったと思う時とどちらもあります。
どちらかというと薬剤師になってよかったと思うことが多いかなくらいです。
薬剤師で後悔したこと
薬剤師になって後悔したこととしては、家族も一緒に感染症などのリスクにさらしてしまうことです。
薬剤師だと、出産後も働きやすい様に見えますが、薬局という場所なので、感染症でかかられる患者さんも多く、私が家にインフルエンザなどを持って帰ってしまうリスクが常に付き纏います。
手洗いうがいなど細かいことを気をつけていますが、やはりインフルエンザなどもらってしまうことがあります。
薬局の前の病院が開いている限りは、調剤薬局も開局しないといけないので、年末はいつも12/30までみっちり働いています。
インフルエンザが大流行した年に、12/30の最終勤務で朝から夜まで90%くらいインフルエンザの患者さんだったことがありました。
そのまま、家に帰って過ごしていたら、案の定、私の熱がどんどん上がってきました。そして、同じように他の家族全員も熱が上がってきて、12/31の激混みの病院で(4時間以上待ちました)家族全員インフルエンザと診断されました。
お正月どころではなくなり、家族全員でインフルエンザの年越しをする羽目になってしまいました。小さい子供たちにもうつしてしまったので、本当に申し訳なくなりました。
感染症には注意をしていますが、患者さんとかなり近い距離で話すことも多く、どうしても患者さんから感染してしまう可能性は常にあります。
そのため、感染症が流行ると家族も一緒にリスクを負ってしまうので、その点はいつも薬剤師としては後悔する点になります。
薬剤師で良かったこと
出産後に薬剤師として復帰する時には、子供が小さくても採用してもらえるので、就職先に困らないのは薬剤師でよかった点です。
平日だけのパートや土日だけのパートなど、ある程度自分の希望にあった薬局を探すことができます。
子供が小さくても正社員として採用してくれる薬局も多いので、パートで働いたり、正社員で働いたりと、自分の今後のライフスタイルに合わせて働き方を選べるのは薬剤師だからこそだと思います。
実際に、周りのママ薬剤師さんも出産後も継続して働いている方が多いので、ママとしても薬剤師は働きやすい仕事だと思います。
病院薬剤師として働いていると夜勤などもありますが、調剤薬局で働いていると夜勤はほぼないので、子供がいても働きやすい職場環境だと思います。
子供ができても、働き続けたいという方には薬剤師という職業はいい職業だと思います。
まとめ
実際に、ママ薬剤師となった私が薬剤師という職業を選んだ理由や結婚妊娠出産を通してどう思ったのかなどリアルな体験談をお伝えしてきました。
薬局も当たり外れが大きいので一概には言えませんが、薬剤師という職業は、結婚妊娠出産後も働きやすい仕事だと感じています。
薬剤師になるために、薬学部へ進学するか悩んでいる方は、ぜひたくさんリアル薬剤師さんの話を聞いてみるのがおすすめです。より具体的な薬剤師という仕事のイメージが湧くと思いますよ。