薬剤師を辞めて数年経つと、仕事に復帰するのが怖く感じることがありませんか?私も下の子が産まれた後に退職して、ブランクを経てから復帰を決めた時は、前と同じように働けるのか不安でいっぱいでした。
私自身も就職先を決める際に、調剤薬局がいいのか、時給のいいドラッグストアがいいのか悩んで色々な求人サイトで求人をみていたものの、決めてがなく就職活動が進まなかったこともあります。
この記事では、
- ブランクありの薬剤師の復帰準備
- ブランクありママ薬剤師におすすめの就職先
をご紹介します。
私もそうでしたが、薬剤師としてのブランクが開けば開くほど、離職前と同じようにスムーズに働けるのか不安になりますよね。少しでも復帰を検討しているママ薬剤さんの参考になれば嬉しいです。
Contents
ママ薬剤師が復帰が怖い4つの理由
ブランクありのママ薬剤師さんが復帰を怖いと思う理由にはいくつかありますが、大きく4つの理由があります。
- 現役時代の知識を忘れている
- 休んでいた間に発売された新薬がわからない
- 調剤報酬が改訂されている
- 家事育児と両立できるかわからない
実際に、復帰にあたっては、薬剤師としての不安とママとしての不安の両方がありますよね。
それでは詳しく説明していきます。
現役時代の知識を忘れている
医療機関で保険診療に使われている医療用医薬品の総数は大体1万3千程度と言われています。(参考サイト:厚労省)
そのため、薬剤師という仕事から離れているブランクの間にどんどん薬の知識を忘れていってしまうことがあります。
また、薬局では門前にある病院で使うお薬がメインで置かれているので、それ以外の科目の薬については就職してから1度も触ることなく、離職してしまうこともあります。そうすると、科目によって知識の偏りがどうしても出てきてしまいます。
一生懸命覚えた知識は、使わないでいると忘れてしまうので、復帰するにあたって自分の知識不足や薬について忘れていることに対して不安になるのも仕方ありませんよね。
休んでいた間に発売された新薬がわからない
厚労省の報告によると、毎年50前後の新薬が国内で承認を受けています。(参考サイト:PMDA)
新薬の作用によっては、これまでの治療のスタンダードをガラッと変えてしまうこともあります。
ブランクが長くなればなるほど、新しい薬への知識がなく、復帰して新しい薬を把握することから始める必要が出てきます。
特に、総合病院の門前薬局などは、積極的に新薬を取り扱う機会も多いので、ブランク前は扱ったことのない知らない薬を扱う機会が増えるかもしれません。
新薬だと、作用機序もこれまでと違って全く新しい場合があるので、1から知識を入れなければならず不安になる気持ちも仕方ないと思います。
調剤報酬が改訂されている
ブランク薬剤師にとって、1番追いつけないのが調剤報酬の改訂かもしれません。2年に1回改訂される上に、いきなりガラッと内容が変わることも多いです。
今年も調剤報酬が改訂予定ですが、厚労省が出している概要をしっかりと理解して、改訂に追いつくのは、実際に働いている薬剤師でも大変です。(参考サイト:厚労省)
薬剤師会などの研修や企業の開催する研修などを通して、やっと理解できる場合もあるくらいです。ブランクの間に変化した調剤報酬をまた1から理解するのは大変だと思います。
家事育児と両立できるかわからない
ブランクありママ薬剤師さんが仕事へ復帰する時に、さらに不安なのが家事育児との両立です。
今までより家事育児に使える時間が圧倒的に減るので、より効率的に家事育児を進める必要が出てきます。
今まで完璧に家事育児をしてきたママさんであれば、もしかしたら時間がなくきちんとできないことに対するギャップに悩むこともあるかもしれません。
私自身も、復帰して家事や育児が段々と手抜きになってしまって、申し訳ない気持ちとギャップに押しつぶされそうになったことがあります。
ママ薬剤師が復帰準備のためにする3つのこと
実際に、私がブランクありで転職するに当たって気をつけていたことや準備したことが3つあります。
- 自己学習
- 転職先の条件を決めておく
- 家事育児を手抜きする準備
次から詳しく説明していきますね。
自己学習
ブランクあり薬剤師として復帰する時に1番心配な薬の知識については、子育て中でも無理なくできるように動画学習やオンライン読書を取り入れました。
よく利用していたのが、
- 日経DI(ドラッグインフォメーション)
- MPラーニング(eラーニング)
の2つです。
日経DIで、薬業界の最新情報をチェックして、MPラーニングで薬の知識の基礎を学んでいました。
MPラーニングは、認定薬剤師の研修単位としても利用できるので、ブランク中の認定薬剤師の更新にも役立ちましたよ。
転職先の条件
私がブランクあり復職の際に、重視した点がこちらです。
- 実際に子育て中のママ薬剤師がいる
- 自宅からの通勤時間が30分以内
- 研修制度が充実している
特に、子育て中のママ薬剤師が実際に働いているかどうかはかなり重要だと思っています。
子育てに理解がある職場ですと紹介されても、実際にママ薬剤師さんが働いていない場合には、子供の急病などに対応する制度は整っていない場合もあります。
私も子育てママが働いている薬局で復帰したので、子供の急な病気などへの理解もあり、お休みする方への応援体制も整っていました。
他のママさんがお子さんの病気で働けない時には、自分や他のママ薬剤師さんが代わりにシフトに入ったり、自分が子供の病気で働けない時には、エリアマネージャーが代わりにシフトに入ってくれたり、会社全体として子育てママにもですが、お子さんがいない薬剤師にも負担がかからないように考えられていました。
職場全体で、お互い様という雰囲気があり、子育てママ薬剤師さんももちろんですが、子育てしていない薬剤師さんもどちらにとっても非常に働きやすい職場でした。
家事育児を手抜きする準備
また、ブランクありで復帰する時には、できるだけ家事育児が楽になるように、
- 冷凍室が大きい冷蔵庫
- 食洗機
- 電気鍋
を購入しました。
特に、食洗機は別になくてもいいかなと思っていましたが、皿洗いの大変さから解放されて購入してよかった家電No.1でした。
冷凍庫が大きい冷蔵庫を購入したことで、土日に買いだめしたり、味付けしたお肉や野菜などを冷凍しておくこともでき、平日の夕ご飯作りが楽になりました。
さらに、電気鍋に具材をセットして、調理してもらっている間に、家の片付けや洗濯物をしています。
家事育児の両立に不安がある場合には、家事を楽にしてくれる時短家電もぜひ取り入れてみてくださいね。
ブランクありママ薬剤師の就職は調剤薬局?ドラッグストア?
ブランクありママ薬剤師さんが就職するなら、調剤薬局の方がおすすめです。実際に、私がブランクありで復帰する時にドラッグストアではなく、調剤薬局を選んだのには、3つの理由があります。
- 研修制度がしっかりしている
- 毎日の処方箋数が多い
- 勤務時間が不規則
- 詳しく説明していきます。
次から詳しく説明していきますね。
研修制度がしっかりしている
調剤薬局の中でも、特に大手の調剤薬局は研修制度がしっかり整っているところが多いです。これまでに長い期間調剤薬局を運営しているので、ノウハウも多く蓄積されています。
ブランクがあるママ薬剤師さんでも定期的に研修を受けたり、社内のeラーニングを利用して勉強することができます。
私がママ薬剤師として働いていた大手の調剤薬局では、定期的に理解度テストなど研修があり、知識を常にブラッシュアップできる環境が整っていました。
なかなか家では家事育児に追われて勉強する時間が取れないので、業務中に学ぶことができ非常に助かりました。
毎日の処方箋数が多い
ドラッグストアと調剤薬局を比べると、調剤薬局の方が処方箋枚数が多いところが多く、毎日調剤にたくさん触れることができます。
また、反対に調剤薬局はドラッグストアと違って、OTC(一般医薬品)を扱う機会も少ないです。
そのため、医療用保険医薬品をメインに扱う回数が圧倒的に多くなり、ブランクあり薬剤師さんにとって病院から処方される医療用医薬品薬をメインで調剤する機会が増えるので、手にする機会も勉強する機会も増えます。
勤務時間が不規則
調剤薬局は、大体9:00〜18:00開局のところが多いですが、ドラッグストアは、夜遅くまで開いていることが多いです。
子育て中のママ薬剤師にとっては、帰宅時間はかなり重要ですよね。帰宅が遅くなればなるほど、夕食や家事、子供たちの寝る時間が後ろ倒しになってしまいます。
同級生のドラッグストアに就職した友人は、勤務開始時間が11時で、退勤時間が20時だったので、ママになったタイミングで調剤薬局へ転職していました。
また、ドラッグストアは土日も開いているので、土日の勤務を求められることがあります。調剤薬局よりもドラッグストアの方が時給や年収なども高いですが、ママ薬剤師として家事育児と両立するには、家族の協力がないとかなり難しいと思います。
まとめ
ブランクがある状態で薬剤師へ復帰するのが怖い理由や解決方法、ママ薬剤師のブランクあり復帰には調剤薬局がおすすめな理由をご紹介してきました。
復帰が怖い理由については、理由を明確にして、解決策を講じていけば、復帰への不安は減っていくと思います。
ママ薬剤師として復帰するのは不安が多いと思いますが、環境を整えて、復帰への1歩をぜひ踏み出してみてくださいね。